イベント内容
函館市弁天町弁天埠頭に着岸中のおしょろ丸において、本年(2023年)6月~8月に行った北極航海の様子を夏休み中の子供たちに紹介する見学会イベントを行いました。
見学会の開始(10:00)前には、函館市国際水産・海洋総合研究センターにて受付を行い、参加者全員におしょろ丸船内での注意事項について主席一等航海士、星直樹から、説明を実施しました。注意事項の後、総合研究センター向かいの弁天埠頭に停泊中のおしょろ丸に乗船し、船首デッキから、学生教室へと子供たちを誘導しました。
学生教室で子供たちが着席した後、先ずは地球模様のビーチボールを使った簡単なゲームを実施しました。ビーチボールを子供たちの間でパスしあって、ボールを受けた時の右手の人差し指が、陸地を指していたか?海域を指していたか?というゲームです。ボールをパスしあって統計を取った結果、陸:海が3:7にはなりませんでしたが、海の割合が高い結果となり、地球が広い海に覆われた惑星であることを印象付けました。
次いで、スライドを用いて、北極航海の航路や観測海域、今航海での最北点の話などを行いました。その中には、日付変更線に跨るベーリング海峡のダイオミード諸島(ロシア領とアメリカ領)の紹介もありました。僅か4kmにも満たない両島の間で国が変わり、日付が変わるという、自然の繋がりと人間社会が差し挟んだ隔たりを考える機会でした。
スライドの話題は北極海の生物の話に移り、南極に生息する「ペンギン」は、実は北半球にかつて生息していた「オオウミガラス」が語源であることも紹介されました。そして今航海で採取された北極海の「海氷」とかつての南極観測参加者から貰い受けた南極の「淡水氷」の現物を子供たちの前で披露し、その成り立ちの違いや、触感の違い、溶ける際の泡・音の違いなどを紹介・体験してもらいました。
スライドによるレクチャー終了後、おしょろ丸の学生居住区を見学し、実際に部屋のベッドで横になって船での生活を想像してもらい。その後は船橋に上って、最新の航海計器を眺め、舵輪を握ってレーダーを眺め、航海士の疑似体験もできました。再び学生教室に戻り、アンケートの後、下船して、船名の前で記念写真を撮って解散となりました。
記者たちの取材に緊張しながらも、この日学び、体験したことを真摯に答える参加者たちの姿です。この写真は、このイベントが成功裏に終わったことを物語っているようで掲載しました。8月8日の夕方にNHKでテレビ放映された動画はマリン・ラーニングのホームページから見ることができます。
(伊藤晴留美)