終了レポート

「おしょろ丸」が捉えた北極海 in 2023 -海と日本PROJECT-

日 程 :
8月8日(火)
開催場所:
北海道函館市弁天町弁天埠頭 停泊中のおしょろ丸Ⅴ
参加者数:
17名
主 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院・水産学部
協 力 :
函館市国際水産・海洋総合センター(受付の設置)
目 的 :
2023年に北海道大学附属練習船おしょろ丸が実施した北極海航海から、その航海の様子や研究・調査の様子を夏休み中の子供たちに紹介し、北極海で得られた海氷と南極氷床の違いを体感させ、加えておしょろ丸の船内設備や航海計器も披露して、海と環境、その研究現場への関心を高めることを目的とします。

イベント内容

 函館市弁天町弁天埠頭に着岸中のおしょろ丸において、本年(2023年)6月~8月に行った北極航海の様子を夏休み中の子供たちに紹介する見学会イベントを行いました。

集合写真

おしょろ丸乗船

 見学会の開始(10:00)前には、函館市国際水産・海洋総合研究センターにて受付を行い、参加者全員におしょろ丸船内での注意事項について主席一等航海士、星直樹から、説明を実施しました。注意事項の後、総合研究センター向かいの弁天埠頭に停泊中のおしょろ丸に乗船し、船首デッキから、学生教室へと子供たちを誘導しました。

見学前の注意事項

いざおしょろ丸乗船

ゲームをしながら楽しい講義

 学生教室で子供たちが着席した後、先ずは地球模様のビーチボールを使った簡単なゲームを実施しました。ビーチボールを子供たちの間でパスしあって、ボールを受けた時の右手の人差し指が、陸地を指していたか?海域を指していたか?というゲームです。ボールをパスしあって統計を取った結果、陸:海が3:7にはなりませんでしたが、海の割合が高い結果となり、地球が広い海に覆われた惑星であることを印象付けました。

 次いで、スライドを用いて、北極航海の航路や観測海域、今航海での最北点の話などを行いました。その中には、日付変更線に跨るベーリング海峡のダイオミード諸島(ロシア領とアメリカ領)の紹介もありました。僅か4kmにも満たない両島の間で国が変わり、日付が変わるという、自然の繋がりと人間社会が差し挟んだ隔たりを考える機会でした。

 スライドの話題は北極海の生物の話に移り、南極に生息する「ペンギン」は、実は北半球にかつて生息していた「オオウミガラス」が語源であることも紹介されました。そして今航海で採取された北極海の「海氷」とかつての南極観測参加者から貰い受けた南極の「淡水氷」の現物を子供たちの前で披露し、その成り立ちの違いや、触感の違い、溶ける際の泡・音の違いなどを紹介・体験してもらいました。

星先生の講義に夢中な参加者たち

日付変更線学ぶ

南極の氷を見て触って

おしょろ丸船内体験

 スライドによるレクチャー終了後、おしょろ丸の学生居住区を見学し、実際に部屋のベッドで横になって船での生活を想像してもらい。その後は船橋に上って、最新の航海計器を眺め、舵輪を握ってレーダーを眺め、航海士の疑似体験もできました。再び学生教室に戻り、アンケートの後、下船して、船名の前で記念写真を撮って解散となりました。

操縦室でいろいろ教えてもらう

お部屋体験

NHKほっとニュース北海道のインタビュー

 記者たちの取材に緊張しながらも、この日学び、体験したことを真摯に答える参加者たちの姿です。この写真は、このイベントが成功裏に終わったことを物語っているようで掲載しました。8月8日の夕方にNHKでテレビ放映された動画はマリン・ラーニングのホームページから見ることができます。

テレビ局の取材に真摯に答える参加者たち

(伊藤晴留美)

トップへ戻る