終了レポート

「海をまるごとサイエンス-海と日本PROJECT-」

日 程 :
7月1日(土)、7月8日(土)、7月22日(土)、8月6日(日)、8月19日(土)
開催場所:
北海道大学函館キャンパス
参加者数:
1回目 99名(対面29名 オンライン70名)
2回目 98名(対面36名 オンライン62名)
3回目 99名(対面33名 オンライン66名)
4回目 94名(対面35名 オンライン59名)
5回目 82名(対面23名 オンライン59名)・・・5回計472名(対面156)
主 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院
目 的 :
このイベントは、北海道大学函館キャンパスで、養殖・漁業から海の資源、海洋生態系まで海を網羅する5つの講義を通して、海の生物の面白さを知ってもらうとともに資源としての重要性について理解を深めてもらうことを目的とします。

イベント内容

 「海をまるごとサイエンス-海と日本PROJECT-」と題して、全5回の公開講座を開催しました。会場は北海道大学大学院水産科学研究院の大講義室で行われました。5回にわたって北海道大学の先生が日替わりで教壇に立って参加者の皆さんに講義をしました。

 第1回目の冒頭には北海道大学水産科学研究院 都木靖彰 研究院長から開会の挨拶がありました。その後、講座が始まり先生の研究内容について市民や学生の方にも分かりやすいようにスライドだけではなく、ムービーで実験の様子を説明していただいたりして熱心に先生のお話を聴講しているのが印象的でした。

海をまるごとサイエンス始まる

開会の挨拶 都木先生

美しいカキを作るための動きの研究(1回目)

 今回のイベントで講師を務めていただいたのは、北海道大学大学院水産科学研究院 富安 信 助教です。「美しいカキを作るための動きの研究」と題して、カキの動きに着目し、養殖ガキの品質向上に向けて惜しみない研究をなさっていることがよくわかりました。自らの殻を開いて閉じての繰り返しの一生しかない(失礼かな)カキが、ストレスを感じているのではないか、それはカキの味を落とすという、落としどころ満載の魅力的な講義でした。

第1回講義 富安先生

二枚貝の動きって?

ウニはやんちゃ坊主だけど魅力的なヤツ(2回目)

 今回のイベントで講師を務めていただいたのは、北海道大学大学院水産科学研究院 浦 和寛 准教授です。英語で“sea urchin”海のやんちゃ坊主と呼ばれるウニは、問題となっていた磯焼けを産学官連携においてウニの年輪の果てから餌に至るまで、研究を積み重ねた結果、実に“魅力的なヤツ”に変わるかを懇切丁寧に教えてくれた講義でした。

第2回講義 浦先生

養殖ウニの試験販売

カレイ類ソウハチの資源量変動(3回目)

 今回のイベントで講師を務めていただいたのは、北海道大学大学院水産科学研究院 高津 哲也 教授です。ソウハチカレイが生育した状態で生き残ることに必要なことは何かを地道に研究した経緯を、時に冗談交じりで、人間の学校に置き換えて説明して下さったりと、わかりやすくした講義でした。しかも魚の餌であるプランクトンの研究者は、ダジャレを使い説明すること(しかもウケない)などを交えたりと、軽快に学ぶことができ、自然と知識が頭に入ってくる魅力的な体験となったようです。

第3回講義 高津先生

細かな研究の一部

ヤドカリ入門:貝殻に潜む“駆け引き”上手たち(4回目)

 今回のイベントで講師を務めていただいたのは、北海道大学大学院水産科学研究院 石原 千晶 助教です。ヤドカリの一生と称して、敵との戦い方、オス同士の戦い、そしてオスとメスの駆け引きを、サイエンスと共にカルチャーの域でも語りかけることが面白かったです。しかも比較的エコを望む生き物なのではと、聴講者が同じように研究に携わり結論を導いたかのような錯覚を覚えた参加者もいらしたのではないかと思われます。忘れかけていたシンプルな生き方をヤドカリが思い出させてくれた、IT時代を生きる今だからこその新鮮な講義でした。

第4回講義 石原先生

ヤドカリに学ぶ引き際

小さなプランクトンの大きな役割(5回目)

 今回のイベントで講師を務めていただいたのは、北海道大学大学院水産科学研究院 山口 篤 准教授です。小さなプランクトンは魚類の成長率および死亡率(水産学)だけではなく、プランクトンの糞が100m沈むことから有機物輸送(海洋学)にも役立っており、いずれの視点においても重要な指標となるなど、10ミリほどのプランクトンが大きな海を担っているというスケールの大きな講義で、受講された方をうならせておりました。

第5回講義 石原先生

大きな役割プランクトン

(伊藤晴留美)

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