終了レポート

「大阪湾を知ろう!2022 ~海と日本PROJECT~」

日 程 :
2022年5月28日(土)、6月18日(土)、6月26日(日) 、7月10日(日)、8月28日(日)
開催場所:
海遊館、南港野鳥園、淀川海老江干潟
参加者数:
121名
主 催 :
海遊館、NPO法人 南港ウェットランドグループ *一部変更あり
共 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院
目 的 :
海遊館とNPO法人 南港ウェットランドグループは、連携して地元の高等学校や中学校を対象として環境学習の支援を行っており、その一環として「大阪湾」をテーマにした取り組みを行っている。体験を通して、大阪湾の自然環境や人間活動が環境に与える影響を知ってもらうことをねらいとしている。

イベント内容

予定イベント7件のうち、8月27日の岸壁調査はコロナ感染予防対応で中止した。その他イベントは実施したが、7月16日の「石干見体験&シジミとり」イベントは天候不順により、8月28日に延期した。コロナ感染拡大の影響で海遊館の環境学習支援活動が一時中止となり、8月28日の石干見イベントは大阪市漁協業同組合が主催し、アカテガニ放仔観察会は、NPO法人南港ウェットランドグループが主催となった。結果は下記の通りである。


1、岸壁調査

実施日時 2022年5月28日(土) 10:00~12:00
場所 海遊館
参加者 大阪市立築港中学校 生徒13名 引率教師1名
大阪高等学校 生徒12名 引率教師1名
計 27名
内容 海遊館前の天保山西岸壁の水中に設置していたカゴを引き上げて、その中の付着生物や自由生活の動物を採取した。その結果、3種の海藻と49種の動物を記録した。海遊館前の海は都会に面した海で、汚濁して生物が少ない印象をもたれがちであるが、生物が意外と多い事を生徒たちは認識できたようである。

調査カゴの引き上げ

カゴの中の生物採取

人気のあったミノウミウシ


2、石干見漁いしひびりょう石干見漁いしひびりょう体験

実施日時 2021年6月18日(土) 13:00~16:30
場所 淀川海老江干潟
参加者 大阪市立築港中学校・大阪高等学校 生徒計16名
引率教師4名 合計20名
内容 石干見漁は、干潟やサンゴ礁などの浅場で行われる伝統漁法で、日本では沖縄や九州地方を中心に古くから行われていた。しかし、現在は近代的な漁業にかわり、衰退している。大阪市漁業協同組合を中心に、淀川河口において同漁法を再現する取り組みを行っており、昨年に引き続き、環境学習としてこのプロジェクトに参加させていただいた。イベント当日は、昨年組み上げた石干見を補強し、網を仕掛けて漁を行った。その結果マハゼが約700尾とボラやスズキが数尾入網し、漁獲効果を検証できた。

記念写真

石干見補強作業

入網したマハゼ


3、干潟のカキ礁でカニ類の生息調査

実施日時 2022年6月26日(日) 9:30~12:00
場所 南港野鳥園
参加者 大阪市立築港中学校・大阪高等学校 生徒計13名
引率教師3名 合計16名
内容 南港野鳥園の干潟に近年拡大しているカキ礁に棲む生物の定量調査を行った。干潮時の干潟に入り、カキ礁が広がっている箇所で50×50 cmの枠を設置し、その中にあるカキ礁及び生物をすべて採集した。室内に戻り、採集物をより分け、生物種ごとに個体数をカウントした。1㎡あたりに換算するとケフサイソガニ類が数百個体いることがわかったほか、ユビナガホンヤドカリやフジツボ類などが多く記録された。参加した生徒たちはカキ礁が様々な生き物の棲み処になっていること、そして南港野鳥園の干潟には水鳥達の餌が豊富にあることを感じ取っていた。

干潟でのサンプリング

ケフサイソガニのオス

室内での選別作業


4、干潟保全作業(カキ堤防の増設)

実施日時 2022年7月10日(日) 9:30~12:00
場所 南港野鳥園
参加者 大阪市立築港中学校 生徒27名 引率教師2名 合計29名
内容 南港野鳥園では近年干潟表層部の泥や有機物堆積層が流出してしまうことが心配されている。そこで野鳥園の干潟に近年拡大しているカキ礁のカキ殻を利用して、泥が流れ出ないよう留めるためのカキ堤防を設置する保全作業を昨年度から行っている。参加した生徒たちは協力してバケツリレーでカキ殻を運び、昨年度設置した2か所のカキ堤防を増築することができた。

カキ殻集め

バケツリレーでカキ殻を運ぶ

完成したカキ堤防


5、アカテガニの放仔観察会

実施日時 2022年8月28日(日) 18:00~20:00
場所 南港野鳥園
参加者 大阪市立築港中学校・大阪高等学校 生徒計26名
引率教師 3名 合計29名
内容 南港野鳥園に棲息するアカテガニの夜の生態について観察を行った。日没後、園内の緑地で活動を始めたアカテガニを観察し、その後波打ち際へ移動して放仔をする個体を探した。今年はアカテガニの出現数がやや少なく、波打ち際で放仔をする行動は見られなかったが、参加した生徒たちはアカテガニを間近で観察することができ、カニの雌雄の違いや、夜の野鳥園の生き物たちの生態を観察していた。

緑道でアカテガニを観察

アカテガニのオス

波打ち際で放仔行動を探す

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