イベント内容
イベントは、北大大学院水産科学研究院・今村央(いまむら ひさし)教授による講義「魚類分類学のすすめ」(動画放映:約50分)と、新種発表などの学術論文で実際に使用された魚のイラストポスター(標本スケッチ:今村教授)展示の2本立てで実施されました。
講義の中で、今村教授は魚類を分類することの学術的な意味を中高生向けにわかりやすい言葉で語りました。また、講義で話題となった魚を含むイラストポスター6点を会場内に展示、今村教授が描いた緻密かつわかりやすいイラストと説明を、参加者たちは興味深そうにじっくりと見ていました。
今村教授は、講義の中で、脊椎動物全体の半分となる「魚類」を分類することの重要性、そして分類するための条件を話しました。科学においては、「何を(材料)」「どうして(方法)」「どうなった(結果)」のサイクルがきちんと再現されることが重要です。今村教授は、分類学では、再現を保証するものが「標本」であることから、未来の科学者が研究を進める上で「標本」の適切な維持管理が必要と強調しました。世界各地の博物館や大学などで標本が大切に保存されているのはそのためです。なお、会場内に展示した今村教授の標本描画は、魚類分類学の研究成果の一つです。
来場者からは、「似たような魚がどのような基準で分類されるのかが、よくわかった」、「魚の精密な描写を見ると、その魚の生態を想像でき興味深かった」との感想がありました。
今回のイベントを通じ、来場者には「魚の分類」の重要性と面白さを感じて頂けたようです。
(齊藤拓男)