終了レポート

「大阪湾を知ろう!2020 ~海と日本PROJECT~」

日 程 :
2020年7月4日(土)、8月29日(土)
開催場所:
南港野鳥園
参加者数:
51 名
主 催 :
NPO法人 南港ウェットランドグループ、海遊館
共 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院
目 的 :
海遊館では、地元の高等学校や中学校を対象として環境学習の支援を行っており、その一環として地元の海「大阪湾」をテーマにした取り組みを行っている。生徒たちに、大阪湾の自然環境や人間活動による影響などを知ってもらう機会を提供している。

イベント内容

本年はコロナ禍の中、予定イベント8件のうち3件のみ実施することができた。なお、今回はNPO法人南港ウエットランドグループが実施主体となった。実施プログラムの結果は下記の通りである。

1、干潟の保全作業(カキ礁増設)

実施日時 2020年7月4日(土)10:00~12:30
場所 南港野鳥園
参加者 大阪市立築港中学校 生徒17名 引率教師3名
内容 野鳥園の干潟では最近カキ礁が増えて砂泥質の干潟を覆ってしまっている。砂泥質の干潟をついばむ小型シギ・チドリ類の餌場確保と多様な生物の住処確保のためにはカキ礁と砂泥質干潟の両立が必要である。そのため干潟を覆うカキ礁を深場に移設させる作業を行う。最初に会議室でカキ礁が持つ役割と、作業の意味について説明をした後、干潟に入り作業を行った。開始時間には雨が降っていたが、干潟に入る頃には雨が弱まり予定通り作業が行えた。干潟を覆っているカキを拾い集め、生徒たちがバケツリレーで運び、昨年度までの作業で作っていたカキ山の上に投入することでさらに大きく高くすることができた。

2、シギ・チドリ観察会(秋の渡り観察)

実施日時 2020年8月29日(土)10:00~12:00
場所 南港野鳥園
参加者 大阪府立市岡高等学校 生徒7名 引率教師1名
内容 会議室で干潟の環境やシギ・チドリの生態、渡り鳥にとっての干潟の重要性などのレクチャーを行った。その後展望塔2階に移動し、観察補助員の指導によりフィールドスコープの使い方等を学び、実際に干潟の野鳥観察を行った。シギ・チドリとしてはアオアシシギ・キアシシギなどを観察することができ、秋の渡りについてその実態を知ることができた。また、野鳥園は大阪港の出入口付近に位置し、展望塔からは普段見る機会の少ない港外の様子や神戸・淡路島方面も遠望できる。生徒たちにとって、地元の海を地理的にも理解する機会になったようである。

3、アカテガニ放仔観察会

実施日時 2020年8月29日(土)17:00~19:30
場所 南港野鳥園
参加者 大阪府立市岡高等学校 生徒10名  引率教師1名
大阪市立築港中学校  生徒9名  引率教師3名
内容 展望塔会議室でアカテガニの生態や繁殖行動についてレクチャーを行った。日暮れ時に干潟周辺の森に移動し、隠れ家から出て動きたアカテガニやクロベンケイガニなどを観察した。その後干潟の水際に移動し、集合してきたカニの行動を観察した。水中に入るアカテガニのメスや周囲で待ちうけるオスを多数確認できた。ただし、メスが放仔する様子はなかなか確認できず、一部の参加者のみ単発的に観察できた。人の足音や光で驚かせてしまうことや夜間の時間制限のある中で十分な放仔観察はできなかったが、アカテガニの生態の一端を十分知ることができた。

(北藤 真人)

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