マイカーローンとディーラーで組むローンは何が違う?
車を買うとき、多くの人がローンを利用しています。しかし、ローンには大きく分けて2つの種類があることをご存知でしょうか。一つは銀行や信用金庫などの金融機関が提供する「マイカーローン」、もう一つは車の販売店で申し込める「ディーラーローン」です。
それぞれに特徴があり、金利や手続きの流れ、車の名義など、さまざまな点で違いがあります。どちらを選ぶかによって、支払う金額や利便性が変わってくるため、自分に合ったローンを選ぶことが大切です。
マイカーローンとは
マイカーローンは、銀行や信用金庫、信販会社などの金融機関が扱っている自動車購入用のローンです。車を購入する店舗とは関係なく、自分で金融機関に申し込む形になります。
使いみちの範囲が広いのが特徴で、車両本体の購入費用はもちろん、カーナビなどの関連用品、車検や修理の費用にも使えます。中古車の購入や、運転免許証の取得費用に充てることもできる商品が多く、柔軟性の高さが魅力です。
ディーラーローンとは
ディーラーローンは、車の販売店(ディーラー)が信販会社やクレジットカード会社と提携して提供しているローンです。車を購入する手続きと同時に申し込めるため、手間がかからないのが特徴といえます。
ディーラーローンで車を購入した場合、ローンを完済するまで車の名義はディーラーや信販会社になります。この点は、マイカーローンとの大きな違いの一つです。
金利の違いを比較すると支払総額に大きな差が出る
マイカーローンとディーラーローンで最も注目したいのが、金利の違いです。一般的に、マイカーローンの金利は年1~5%程度、ディーラーローンの金利は年3~10%程度とされており、マイカーローンのほうが低い傾向にあります。
金利の差が数%あると、返済総額にはかなりの違いが生まれます。たとえば300万円を5年で返済する場合を考えてみましょう。
| 項目 | マイカーローン(金利3%) | ディーラーローン(金利7%) |
|---|---|---|
| 借入金額 | 300万円 | 300万円 |
| 毎月の返済額 | 約5万4,000円 | 約5万9,000円 |
| 支払総額 | 約323万円 | 約356万円 |
| 利息額 | 約23万円 | 約56万円 |
このように、同じ金額を借りても、金利が4%違うだけで利息の差は30万円以上になります。返済期間が長くなるほど、この差はさらに広がっていきます。
金利のタイプも確認しておこう
ローンの金利には「固定金利」と「変動金利」があります。固定金利は借入時の金利が返済終了まで変わらないタイプで、毎月の返済額が一定なので計画が立てやすいのがメリットです。
一方、変動金利は市場の金利動向に応じて定期的に見直されるタイプです。一般的に固定金利よりも低めに設定されていますが、将来的に金利が上がる可能性もあります。どちらが得かは経済状況によって変わるため、リスクを避けたい人は固定金利を選ぶとよいでしょう。
ただし、金融機関によっては変動金利しか選べないことも少なくありません。三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンは低金利で人気ですが、金利は変動金利となっています。
車の所有権と名義の違いが将来の選択肢を左右する
マイカーローンとディーラーローンでは、車の所有権と名義が異なります。この違いは、将来的に車を売却したり買い替えたりするときに影響してきます。
マイカーローンで車を購入した場合、車検証の所有者欄には購入者本人の名前が記載されます。つまり、ローンの返済中であっても車の所有権は自分にあるため、売却や譲渡が比較的自由にできます。
一方、ディーラーローンの場合は、ローンを完済するまで車の名義はディーラーや信販会社になっています。そのため、返済途中で車を売却したい場合には、ローンの残債を一括で返済して名義変更の手続きを行う必要があります。
事故や廃車になった場合の注意点
ディーラーローンで気をつけたいのが、事故で車が全損した場合です。車が廃車になってしまうと、ローンの残額を一括で返済するよう求められることがあります。マイカーローンでも同様の条項が設けられている場合があるため、契約前に確認しておくことをおすすめします。
審査の基準と手続きにかかる時間の違い
マイカーローンとディーラーローンでは、審査の基準や手続きにかかる時間も異なります。自分の状況やスケジュールに合わせて選ぶことが大切です。
ディーラーローンは、審査が比較的スムーズに進むのが特徴です。車の購入手続きと同時に申し込めるため、別途金融機関に足を運ぶ必要がありません。審査結果も最短で当日、遅くても数日以内に出ることが多く、急いで車が必要な人にとっては便利です。
マイカーローンの場合は、銀行や信用金庫で別途申し込む必要があります。審査には数日から1週間程度かかることが一般的で、金融機関は土日祝日に営業していないことも考慮しなければなりません。ただし、車を決める前でも仮審査を受けられるため、余裕を持って準備できるメリットがあります。
審査基準はどちらが厳しいのか
一般的に、ディーラーローンはマイカーローンよりも審査基準が緩やかだといわれています。銀行のマイカーローンで審査が通らなかった人でも、ディーラーローンなら借りられる可能性があります。
審査では、年齢や勤続年数、雇用形態、年収、他の借入状況などが確認されます。希望する借入金額によって審査結果が変わることもありますが、新車か中古車かで審査が変わることは少ないようです。
マイカーローンのメリットと注意したいポイント
マイカーローンには、金利面や所有権の面でいくつかのメリットがあります。一方で、注意しておきたいポイントもあるため、両面を理解しておきましょう。
マイカーローンの主なメリット
- 金利が低めに設定されており、返済総額を抑えられる
- 車の名義が最初から購入者本人になる
- 使いみちの範囲が広く、車検や修理費用にも使える
- 取引状況によって金利の優遇が受けられることがある
- 借入限度額が高く、高級車の購入にも対応できる
特に借入金額が大きくなるほど、金利の低さによる恩恵は大きくなります。また、銀行によってはインターネットから申し込むと金利が優遇される場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
マイカーローンで気をつけたいこと
マイカーローンのデメリットは、主に手続きにかかる時間です。銀行での手続きが必要なため、ディーラーローンと比べると時間と手間がかかります。急いで車が必要な場合には、スケジュールに余裕を持って申し込むことが大切です。
また、審査基準がディーラーローンよりも厳しい傾向にあるため、収入や勤続年数などの条件によっては希望通りに借りられないこともあります。
ディーラーローンのメリットと注意したいポイント
ディーラーローンには、手続きの利便性という大きなメリットがあります。しかし、金利や車の名義など、いくつか注意しておくべき点もあります。
ディーラーローンの主なメリット
- 車の購入手続きと同時に申し込めて手間がかからない
- 審査結果が早く、最短で当日にわかる
- 土日でも手続きができる
- 審査基準が比較的緩やかで通りやすい
- ローン利用を条件に、車両価格の値引きが受けられることがある
ディーラーが信販会社から受け取る手数料を値引きに充てることで、車両価格が安くなる場合があります。ただし、値引き額と金利負担を比較して、トータルでどちらが得かを判断することが大切です。
ディーラーローンで気をつけたいこと
ディーラーローンの主な注意点は、金利の高さです。マイカーローンと比べると金利が高めに設定されているため、少しの車両価格の値引きがあっても、利息の負担で支払総額が上回る可能性があります。
また、返済期間もマイカーローンより短めに設定されていることが多く、月々の返済負担が大きくなりやすい点にも注意が必要です。車の名義がディーラーにあるため、返済中は売却や譲渡が自由にできないことも覚えておきましょう。
残価設定ローンという選択肢もある
ディーラーローンには、通常の「フルローン」のほかに「残価設定ローン」という仕組みもあります。これは将来の下取り価格を先に設定して、その金額を差し引いた残りの部分だけをローンで支払う方法です。
残価設定ローンを利用すると、毎月の返済額を抑えられるメリットがあります。契約期間は一般的に3~5年で、契約終了時には「車を返却する」「残価を払って買い取る」「新しい車に乗り換える」という3つの選択肢から選べます。
残価設定ローンの注意点
残価設定ローンでは、契約時に決めた走行距離を超えたり、車に傷や損傷があったりすると、返却時に追加の費用が発生することがあります。また、契約終了後に残価をローンで支払う場合、金利が当初よりも高くなることが一般的です。
この仕組みは、数年ごとに新しい車に乗り換えたい人や、決まった期間だけ車が必要な人に向いています。一方、長く同じ車に乗り続けたい人には、通常のローンのほうが総額を抑えられる可能性が高いでしょう。
保証料の負担も確認しておこう
ローンを組む際には、保証料という費用がかかることがあります。保証料とは、保証人の代わりに保証会社に支払う費用のことで、借入金額の1~2%程度が相場です。
ディーラーローンでは、この保証料を購入者が負担することが多いのに対し、マイカーローンでは金融機関が負担してくれる場合もあります。保証料の有無によって、車の購入にかかる費用の総額が変わってくるため、契約前に確認しておくことをおすすめします。
どちらのローンが自分に合っているかを見極める
マイカーローンとディーラーローンのどちらを選ぶかは、自分の状況や優先したいことによって変わってきます。以下のような基準で考えてみるとよいでしょう。
| 重視する点 | おすすめのローン |
|---|---|
| 返済総額をできるだけ抑えたい | マイカーローン |
| 手続きの手間を省きたい | ディーラーローン |
| 審査に不安がある | ディーラーローン |
| 車の売却や買い替えの自由度がほしい | マイカーローン |
| 急いで車が必要 | ディーラーローン |
| 車検や修理費用にも使いたい | マイカーローン |
返済総額を重視するなら、金利の低いマイカーローンが向いています。一方、手続きの利便性や審査のスピードを優先したい場合は、ディーラーローンが選択肢になるでしょう。
複数の選択肢を比較検討することが大切
ローンを選ぶ際には、一つの選択肢だけでなく、複数の金融機関やディーラーの条件を比較することをおすすめします。同じマイカーローンでも、金融機関によって金利や借入限度額、優遇条件が異なるためです。
多くの金融機関では、ホームページで返済額のシミュレーションができるようになっています。実際に数字を入れて計算してみることで、具体的なイメージがつかめるでしょう。
ライフスタイルに合わせた返済計画を立てよう
ローンを組むときには、月々の返済額だけでなく、車にかかる維持費も含めた全体の負担を考えることが大切です。駐車場代やガソリン代、保険料、車検費用など、車を所有すると継続的にお金がかかります。
返済期間を長くすると月々の負担は軽くなりますが、その分支払う利息の総額は増えます。逆に、返済期間を短くすれば利息は減りますが、月々の負担が大きくなります。自分の収入や家計の状況を踏まえて、無理のない返済計画を立てましょう。
繰上返済を活用することで、返済総額を減らすこともできます。マイカーローンは一般的に繰上返済がしやすい一方、ディーラーローンでは繰上返済に制限があったり、手数料がかかったりすることもあるため、契約前に確認しておくとよいでしょう。
マイカーローンとディーラーローンには、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。金利の低さを取るか、手続きの簡便さを取るか、自分にとって何が最も重要かをよく考えて選ぶことが、後悔しない車の購入につながります。