終了レポート

「漂着するイルカ・クジラと海洋プラスチック -海と日本PROJECT-」

日 程 :
2021年7月30日(金)~11月30日(火)
開催場所:
マリン・ラーニングのホームページ内にてオンライン配信
参加者数:
362名
主 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院
目 的 :
ストランディング調査によりわかる海洋プラスチックがイルカ・クジラに与える影響についての講義をオンラインで配信し、海洋環境への関心を高めてもらう。

イベント内容

 鯨類の食性研究を専門とする松田純佳さん(北海道大学大学院水産科学研究院 学術研究員)が、北海道でのクジラ・イルカのストランディング調査の状況について、写真やイラストを示しながらわかりやすく解説しました。

 イルカ・クジラのストランディング調査とは、何らかの理由で打ちあがった個体を学術標本として詳細に調査することをさします。北海道では年間約60件のクジラ・イルカのストランディングがあります。
 このイルカ・クジラの胃の内容物を詳しく調べてみると、イカやタコの下あごの部分や、魚の耳石やあごの骨が出てきます。このような胃の内容物から何を食べているのかがわかるのです。
 しかし、一部の個体の胃の中から、餌ではなくごみが出てくることがあります。ビニール袋や釣り針の他、マイクロプラスチックと呼ばれる目に見えない小さなプラスチックも胃の中から見つかります。
 現在年間約800万トンものプラスチックが海洋に流出していると言われています。漂流、漂着しているごみに加えて海底にもごみは存在します。新たに流出するのを避け、すでに存在するごみをできる限り減らす取り組みも必要です。
 実際にイルカ・クジラの胃の中から見つかったプラスチックごみの写真は、大変衝撃的でした。このようなごみが体内に取り込まれることでどのような影響があるのか、これからも研究を続けたいということでした。

 この講義について、「大変わかりやすく勉強になった」という感想が寄せられました。イルカ・クジラの食性やストランディング調査の手法についての知識を深め、海洋環境保護への関心を高めてもらう機会となりました。

(和田敦子)

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