イベント内容
本年もコロナ禍の中、予定イベント7件のうち3件のみ実施することになった。なお、緊急事態宣言下によるイベント実施体制の問題で、8月21日は、NPO法人南港ウェットランドグループのみによる実施となった。結果は下記の通りである。
実施日時 | 2021年6月26日(土) 13:30~15:30 |
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場所 | 淀川海老江干潟 |
参加者 | 大阪市立築港中学校・大阪市立八坂中学校・大阪高等学校 生徒計41名 引率教師6名 合計47名 |
内容 | 石干見漁は、干潟やサンゴ礁などの浅場で行われる伝統漁法で、日本では沖縄や九州地方を中心に古くから行われていた。しかし、現在は近代的な漁業にかわり、衰退している。大阪市漁業協同組合を中心に、淀川河口において同漁法を再現する取り組みを行っており、今回、環境学習としてこのプロジエクトに参加させていただいた。淀川海老江干潟において石組み作業を行い、石干見を作ったが、後日行われる予定であった漁獲調査はコロナによる緊急事態宣言により生徒の参加が見送られたため、別途スタッフのみで行われた漁獲調査ビデオと研究者の講話を収録した動画を作り、各学校に配信した。なお、漁獲調査では、マハゼなどのハゼ類が漁獲され、効果の実証ができた。 |
実施日時 | 2021年7月11日(日) 10:00~12:30 13:15~15:30 |
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場所 | 南港野鳥園 |
参加者 |
大阪市立築港中学校: 生徒20名、引率教師1名 大阪高等学校: 生徒11名、引率教師1名 合計33名 |
内容 |
近年、野鳥園干潟では台風による地形変化や多数のカモ類による干潟表層の掘り返しなどが影響して、干潟表層の泥が流出し、本来の干潟機能が低下している。そこで、豊富にあるカキをバケツリレーで所定の場所に集め、カキ堤防を築くことで泥の流出を抑える作業を生徒たちと行った。 カキ堤防作業後に、同じ場所付近で干潟の生き物を探し、どんな生き物がいるのかを学習した。 その後、展望塔に戻り、午前中に展望塔前干潟の澪筋の2箇所(海藻の豊富な場所と海藻の無い場所)で採取した表泥サンプルから小動物をより分けるソーティングを体験した。 |
実施日時 | 2021年8月21日(土) 13:30~17:00 18:30~20:00 |
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場所 | 南港野鳥園 |
参加者 | 大阪高等学校 生徒 8名 引率教師 1名 合計9名 |
内容 |
秋の渡り鳥のシギ・チドリ類を中心に野鳥園の干潟に飛来する野鳥をフィールドスコープを使って観察した。シギ・チドリ類ではトウネンやアオアシシギ、キアシシギなどが干潟の表面や海藻の隙間をついばむ様子が観察され、汽水池で営巣中のカイツブリなども観察することができた。 シギ・チドリたちがついばんでいる干潟の表面にはどんな生き物がどのぐらいいるのか、7月11日にサンプリングした干潟の表泥のソーティング作業の続きを行った。海藻がある地点と海藻が無い地点とでそれぞれ見出された底生生物の個体数をカウントし、1平方メートル当たりの個体数に換算した結果、海藻がある地点の方が生物は多く、ヨコエビ類が6万個体以上生息している結果となった。南港野鳥園には渡り鳥たちを支える豊富な餌生物が生息していることがソーティング作業を通してよく理解できた。 夜はアカテガニの観察会に参加し、日が暮れるまでの間に大阪湾で暮らすアカテガニについてレクチャーを行った後、干潟周辺の森に移動し、日が暮れて緑道に出てきたアカテガニやクロベンケイガニがたくさん観察され、生徒たちも驚いていた。その後干潟の水際に移動し、放仔を行うアカテガニのメスやカクベンケイガニなどを観察した。生徒たちは放仔の様子も観察することができた。アカテガニたちの生命の営みを観察し、人として生き物の命に感謝し、謙虚に生きるべきことを思い出させるきっかけになった。 |
(北藤 真人)