終了レポート

「海洋プラスチックについて -海と日本PROJECT-」

日 程 :
7月27日(土)14:00~14:45 / 15:00~15:45
開催場所:
函館市中央図書館 視聴覚ホール
参加者数:
64名
主 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院
目 的 :
現代社会において、人間の活動は海洋環境やそこに住まう生物に大きな影響を与えている。その中でも特に陸上から流出したプラスチックは分解されず、海洋プラスチックとして、環境中に蓄積し続けている。これらを国際的な取り組みや海鳥への影響について講演し、海洋環境が抱える問題に関心と興味を持ってもらう。

イベント内容

 7月27日(土)に「海の宝アカデミックコンテスト2020・海の魅力や課題を考え行動する(海と日本2020)」の事業の一つとして、講演会「海洋プラスチックについて -海と日本PROJECT-」を函館市中央図書館視聴覚ホールで行いました。報道機関へのリリース、FacebookやマリンラーニングのHPなどを通じてイベントを告知したところ、学生や函館市民が多く聴講しました。

 今回のイベントでは北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの宮下和士教授と北海道大学大学院水産科学研究院の綿貫豊教授に海洋環境に関わる問題について講演いただきました。

 宮下教授には「海洋環境と人間のかかわり」と題して、海洋環境に対する国際的な取り組みについてお話しいただきました。人間活動の増大により、現在起こっている気候変動やそれに伴う海洋環境の変化、そして持続可能な開発目標(SDGs)をはじめとした多くの国際的な取り組みについて解説されました。綿貫教授には「海鳥からみる海洋プラスチック汚染の拡大」と題して、海洋プラスチックによる海洋環境の汚染について海鳥研究の視点からお話しいただきました。時折、会場の聴講者への質問も交えながら、毎年約1000万トンのプラスチックが海洋に流出していることや海鳥の体内に蓄積されたプラスチックの影響、種によっては約9割の個体の胃袋からプラスチックが検出されること、我々が海のためにできることについて講演されました。最後に、二つの講演を踏まえた聴講者による質疑応答が行われ、熱い議論が交わされました。

 聴講していた大学生からは「非常にためになる講演だった。(自身が)研究している生分解性プラスチックが多く世界に求められていることが分かった」との声がありました。今回の講演は、多くの聴講者にプラスチックという身近な物質が与える海洋環境への影響について関心を深める契機になったと思われます。

今後予想される環境変動に耳を傾ける聴衆

SDGsについてスライドを使って説明する宮下教授

司会は北海道大学大学院水産科学研究院 川合祐史教授

年々増加する世界のプラスチック生産量について説明する綿貫教授

(畑中 智希)

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