イベント内容
「海の宝をめぐる学びと体験 マリン・ラーニング(海と日本2018)」プロジェクト事業の一つとして、道南近辺の小中高校生を対象に「マリン・ラーニング 水中ドローンで海の生物を観察しよう! 海と日本PROJECT」と題した体験会を、函館国際水産・海洋総合研究センターおよび近隣の埠頭において実施しました。
イベント当日は小中高生、引率および保護者の方を含めて12名の方が参加しました。まず初めに、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 宮下 和士(みやした かずし)教授による水中生物の観察に関する講義が行われました。その後、白川 北斗(しらかわ ほくと)特任助教をはじめとするティーチングアシスタントのスタッフの指導の下、外に出て水中ドローンの体験会が実施されました。まず、小学生、中学生、高校生のグループごとに分かれたのち、それぞれのグループ内でティーチングアシスタントが丁寧に指導を行いながら、参加者の皆様に水中ドローンの操作を体験してもらいました。はじめはモニター越しの操作に四苦八苦していた子供達ですが、慣れてくると魚類をはじめとする水中生物を発見することができ、そのたびに歓声が上がっていました。図鑑やインターネット、釣り上げた状態でしか見たことのない魚を、その生息場所を含めて観察することが初めてで興奮気味なのか、交代の時間になっても操作盤からなかなか離れない様子が印象的でした。
昼食を挟んだのちに、水中ドローン体験中に撮影した映像を実際に見ながら、どのような生物の種類や数を調べてもらうとともに、生息場所に注目してもらうことで「生物が自然界でどのように生きているのか」を考えてもらう時間を作りました。その後、操縦した水中ドローンとともに集合写真を撮影してからの解散となりました。
参加者からは「函館にこんなに魚がいるとは思わなかった」「映像をみながらみんなで生き物を確かめるのは面白かった」など、海水中に実際に生息している生物の観察の面白さ、その種多様性の豊かさを体験していただけたと感じています。また体験を行なった埠頭の海底には、岩や砂地、様々な貝類の死骸のような自然物から、バケツなどの人間由来のゴミまで様々な構造体が観察できました。多くの参加者はその様子を初めて観察する方が多く、様々な感想をお聞きすることができました。今回の体験会では、魚類だけでなく環境の多様性やその維持についても学んでいただけたと思っています。
(白川 北斗)