終了レポート

「その“サーモン”どこからきたの? 海と日本PROJECT」

 「海の宝をめぐる学びと体験 マリン・ラーニング(海と日本 2017)」プロジェクトでは、小学生から高校生までを対象に、7月23日(日)、サケのふるさと千歳水族館にて、「その“サーモン”どこからきたの? 海と日本PROJECT」を実施しました。このイベントは、食材としての「サーモン」の魅力に迫ることで、参加者の魚への興味関心を高め、命を頂くことへのありがたさを考える機会を作ることを目的としたものです。

 当日は、小学4年生から高校3年生まで、21人の子どもたちが参加。まず、参加者は北大大学院水産科学研究院の清水宗敬准教授による講義「北海道と世界のサーモン」を聴講しました。元々、サーモンは「タイセイヨウサケ」の呼び名であること、北欧スカンディナビア半島の特徴ある海岸線「フィヨルド」が、サーモンの養殖に適していること、日本のシロザケは古くから優れた食材であることなど、参加者たちは、講義を通じてサーモンのことについて幅広く学びました。講義の後に行われたのは、サーモンを使った寿司ネタや寿司作りの実習。今回のイベント協力社である(株)ダブリュコーポレーションの板前さんが講師となり、実習が進められました。

清水・北大准教授の講義

熱心に聴講する子供たち

さまざまな種類のサーモンを説明

食材は、先ほどまで「生命」であったことを感じさせます

 まずは、板前さんが包丁を巧みに操り、一匹丸ごとのサーモンを解体。参加者は、一匹のサーモンが小さくなっていく様を、食い入るように見つめていました。そして、一口大に切られた複数種のサーモンを使い、参加者は「握り寿司」を作っていきました。最初の1カン目はぎこちない手つきであった参加者たちも、板前さんの指導を受けることで、段々上手く寿司を握れるようになっていきました。出来上がった寿司は、早速、参加者が試食。種別ごとの味の違いに驚きながら、美味しそうに食べていました。 

板前さんによる魚捌き

おろしたサーモンを寿司ネタに

食い入るように包丁捌きを見る子どもたち

寿司ネタの完成

寿司握り体験

お寿司完成

 「今日はお寿司を味わってもらうと同時に、一匹丸ごとのサケを用意した。『食するものは、命あるものなんだ』ということを子どもたちには感じてほしい」。こう想いを語ったのは、板前の高尾裕也さん。「今回のイベントは、今までにはなかった企画であること、また、大学の先生のお話をお聞きできたことなど、私たちとしても勉強になった。今後も魚の生態系のことについてなど、知識を深めていきたい」と、プロの職人にとっても、普段の食材を考える良い機会になったようです。

 今回のイベントの主催である「サケのふるさと千歳水族館」の菊池館長は、イベントの開催意義を次のように語りました。「このイベントは、今回がはじめての企画。サケについて、養殖と天然、輸入と国産を比較する企画は以前から行いたかったが、開催内容について思案していた。日本財団の助成の下、北大と連携をし、(株)ダブリュコーポレーションさんの協力を頂くことで、このような素晴らしいイベントを開催することができた。今後は、『食』・『経済』・『人』・『環境』など多様な切り口があるサーモンの特性を活かし、社会を考えるイベントを実施したい」。さらに菊池館長は、「当水族館は、『サケ』という生活に身近な魚がいる水族館。なので、館内で活動を完結するのではなく、水族館をハブとして川へ出かけていく仕掛けをすることで、川に背を向けない暮らしを提案していきたい」と今後の想いを語ってくれました。

 最後に、清水宗敬准教授に今回のイベントについてお話を伺いました。「サーモンについて、幅広い事柄をお話ししたので、子どもたちが講義について来れるか心配であったが、しっかりと良い反応をしてくれて良かった。座学のあとは体験もあり、とても印象深く良い試みであったと思う」と、イベントの内容に対し手応えを感じたようです。

 「学べて、楽しめて、美味しくて」という、非常にバランスよく充実していた今回のイベント。きっと、子供たちにとっても、深く記憶に残ったことでしょう。

【参加者の声】

インタビューに答えてくれた新くん、お寿司が完成してにっこり

 今回のイベントの感想を、参加者の一人、新くん(小学5年生)に聞きました。「お魚が好き、お寿司が好きなので参加しました。食べたことがないサーモンなど、いろいろなお魚のことを知ることができ楽しかった」と、とても満足気な笑顔で話してくれました。新くんのお母さんも「お魚のことが勉強でき、お寿司もいっぱい食べられて、とても良い企画ですね」とイベント開催を喜んでいました。

イベント終了後、「サケのふるさと千歳水族館」学習室にて講師・参加者

(堀 直人)

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