終了レポート

「海の宝を育む環境・生き物たち 海と日本PROJECT」

日 程 :
7月28日(土)13:00~15:30 【第1部:13:00~13:30、第2部:13:30~15:30】
開催場所:
札幌市円山動物園
参加者数:
60名
主 催 :
北海道大学大学院水産科学研究院
後 援 :
札幌市円山動物園、札幌市教育委員会、北海道新聞社
目 的 :
本イベントへの参加を通じ、青少年が海の環境や生物に対する強い関心を持つことで、青少年が海洋環境の保全への意識を高めて、具体的活動を起こすことを目指す。

イベント内容

 「海の宝をめぐる学びと体験 マリン・ラーニング(海と日本2018)」プロジェクトでは、小・中・高校生、また一般市民を対象に、7月28日(土)、「海の宝を育む環境・生き物たち 海と日本PROJECT」を札幌市円山動物園にて開催しました。イベントには60名が参加、講演やワークショップが行われました。

第1部:講演「海も地球もカゼ気味?!プランクトンを守れ!!」

北大・芳村毅先生

 第1部は、北海道大学大学院水産科学研究院・芳村毅先生が、海の環境変化とそれに伴う生物への影響について、講演を行いました。講演の内容は以下の通りです。

 海における「(植物・動物)プランクトン」の存在は、海洋生態系の「土台」と言えます。なぜなら、プランクトンは海洋生物のエサとなるだけではなく、森林と同じように大気中のCO2を吸収、減少させる効果があるためです。ただ、昨今の海洋を取り巻く環境は大きく変化しており、地球の気温は100年間で1.2度、海水温も1.1度上昇しています。さらに、大気中のCO2の増加に伴い海中のCO2も増加することにより、pHは低下している状況です。これらの変化は、プランクトンにどのように影響を及ぼすのでしょうか?

参加者で「海の変化」について考える

 現在、北海道大学では、水産学部附属練習船である「おしょろ丸」、「うしお丸」を使って、海上にて、海洋環境やプランクトンに関する調査・研究を進めています。また、世界的に影響ある課題であることから、世界の研究者が協力して調査・研究も行われています。本日参加している生徒も、ぜひ、海の様々な事象を学ぶことで社会への貢献を目指してみてはいかがでしょうか。

第2部:ワークショップ「海をテーマにした電子紙芝居づくり」

加賀城匡貴先生によるワークショップの説明

 第2部は、アーティストの加賀城匡貴先生によるワークショップが開催されました。加賀城先生は、小学生から大人を対象に「ものの見方を変えることで、日常の風景の新たな魅力を発見させる」ワークショップを各所で実施しています。

 今回は、参加者それぞれの「海の宝」を、4コマの紙芝居で表現、最後に電子データ化をするワークショップを2回に分けて行いました。

紙芝居に使うイラストをチョキチョキ

 まずは、加賀城先生が事前制作した「お手本」3作品の発表がありました。海にちなんだ写真やイラストを使い、ユニークなせりふをちりばめた各作品を見て、子どもたちは大爆笑。加賀城先生は、「まずは、自分で感じた『海の宝』を自由に表現してみましょう!その上で、上手くストーリーが作れれば、なお素晴らしいです」とお話がありました。

 その後の紙芝居づくりでは、事前用意された50種以上のイラストや写真を使いながら、マジックペンで彩りを加え、吹き出しに文字を入れて作る方法を取られました。参加者は、写真を切り取り、画用紙に貼り付け、悪戦苦闘しながら紙芝居づくりを進めていきました。時折、アシスタントの北大大学院水産科学院の学生がアドバイスを行い、徐々に作品が完成していきます。中には、画用紙の枠をはみ出して、写真やイラストを配置するスケールの大きい作品も。

完成まであと一息!

 作品完成後、加賀城先生からは各作品の講評がありました。どの作品も加賀城先生の想像を超えていたようで、子どもたちのイメージの豊かさに感動をしていました。

完成した紙芝居のワンシーン

 小学1年生の参加者、田村侑大くんは「ストーリーを考えるのは難しかったけれど、楽しかった。まだ、作っている途中なので、家に帰ったら続きを作りたい」と笑顔で語ってくれました。今回のワークショップは、参加者にとって夏休み最初の良い思い出になったようです。

 なお、当日の様子は、7月29日付け北海道新聞朝刊(札幌市内版)に掲載されました。

出来上がった紙芝居をそれぞれ持って、ニッコリ

(齊藤 拓男)

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