マリン・ラーニング

【イベント終了レポート】

海を味わおう in 青森 ~海と日本プロジェクト~
地元高校生もビックリ大感動!!
味覚&視覚で体験する下北半島海の幸

開催日
2016.07.23(土)
時 間
PM3:00~PM6:00
会 場
北の防人大湊安渡館(あんどかん)
主 催
北海道大学大学院水産科学研究院

講演会でGIMOTOの魅力を学ぶ

 「大間のクロマグロ」で有名な青森県の下北半島。津軽海峡、太平洋、陸奥湾と半島を囲む3つの海には、クロマグロをはじめ、アンコウ、ヒラメ、スルメイカ、ウニ、ホタテなどが生息。太平洋を南下する親潮と北上する黒潮、日本海側を上ってくる対馬海流のトリプル効果で、下北半島の周辺海域は好漁場として知られています。しかも、下北半島の河川は、ブナやヒバなどが生い茂る森からミネラル成分も運んできます。冷たい親潮の影響で植物プランクトンが多いうえに、ミネラル豊富とあって、魚貝にとっては栄養満点の海。おかげで、私たちには海鮮グルメの宝庫。その海の恵みについて学問的な知識を再認識したうえで、もてなし料理として、これまで以上に魅力的に見せ、地域おこしに役立てていこうというのが、今回おこなわれたイベントの目的です。

 会場となった「北の防人大湊安渡館」は、かつて存在した日本海軍要港部庁舎をモチーフに、2015年4月に開館した観光交流センター。大湊は、陸奥湾内に約4300年前に形成されたという砂嘴(さし)による芦崎湾に面し、施設があるのは、芦崎湾と陸奥湾を望む高台。眼下には国際海峡でもある津軽海峡の防備に当たる海上自衛隊大湊地方総監部施設があり、護衛艦も停泊。独特の景観をつくりだしています。

 下北ジオパークの登録に向けて地域ぐるみの運動が盛んにおこなわれるなか、ジオパークを象徴する地形を実感できる場所でおこなわれた今回のイベントには、青森県立田名部高等学校、青森県立大湊高等学校、青森県立大湊高等学校川内校舎、青森県立むつ工業高等学校の生徒が参加。大学に進学しようか、地元に残ろうかと進路に悩む彼らに、下北ジオパーク構想推進協議会会長を務める宮下宗一郎(みやした・そういちろう)むつ市長、青森県西北地域県民局地域農林水産部鯵ヶ沢水産事務所の奈良賢靜(なら・けんせい)所長、弘前大学食料科学研究所の嵯峨直恆(さが・なおつね)所長の3名が、水産業や経済などの観点から講演しました。

むつ市の高校生は知識欲旺盛!タメになる話の数々に耳を傾ける。

 参加者は、うなずいたり、メモをとったりするなど驚くほど熱心。「うちの父は漁師ですが、下北半島の魚の話を聞くと、大学に進学しようか、漁師になろうか、進路を迷いますね」と参加者のひとり。「いろんな話を聞いたり、体験したりして自分の視野を広げたいと思っています。今日は勉強になりました」と語る参加者も。どうやら、講演を通じて地元の魅力が十分に伝わったようでした。

下北半島って、おいしい〜〜!!

これが海の幸プラッター。ずらりと並んだ海の幸は全14種。

 講演終了後は、弘前大学食料科学研究所とむつ市が共同開発した「海の幸 下北プラッター」の試食会。「プラッター」とは、料理を運ぶ銀皿のことをいいます。ホテルの宴会場などで見かけるデザートケーキなどを盛りつけた長方形の大きな銀皿を思い浮かべるとよいでしょう。今回は、そのプラッターに下北半島周辺の海でとれた魚貝や海藻がズラリ。といっても、むつグランドホテルの協力で、フランス料理の食材として登場。イクラ、エゾアワビ、マボヤ、ホタテガイ、キタムラサキウニ、マナマコ(コノ子)、トゲクリガニ、スルメイカ、クロマグロ(大間マグロ)、ヒラメ(青天ヒラメ)、マダイ、ドナルドソンニジマス(海峡サーモン)、イシモズク、フクロフノリと、全14種を使った前菜が用意されました。

“口福”シーン大公開!

 彩りも鮮やかに小さな器に盛りつけられた料理の数々。銀色のプラッターは、まるで海の宝石箱のようにきらめき、参加者はスマートフォンなどにその様子を収めていました。そしてお待ちかねの試食。「おいしい~~ッ!」、「うンめぇ~!」。会場は笑顔でいっぱい。「うちで下北産のものを食べるといっても、イカそうめんとか煮つけとか。こんなに見た目がきれいで、手の込んだ料理を食べるのは初めてです」と目を細める女子もいれば、黙々と箸を動かす男子も!? もれなく全員、プラッターの前に何度も立ち、食欲旺盛な青春の夏を楽しんでいました。

 講演会と試食会を通じて、五感を刺激されつづけた3時間のイベント。栄養豊富な下北半島の海は、高校生たちの心にも活力源となったにちがいありません。

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