マリン・ラーニング

海の宝アカデミックコンテスト2016

審査総評

審査員代表
北海道大学大学院水産科学研究院 研究院長
安井 肇

 全国から中学校8校12作品、高等学校21校56作品の応募がありました。一次審査を通過したのは中学校5校6作品、高等学校10校11作品でした。二次審査ではそれら作品に基づいて熱心な発表がありました。

 それぞれ個性があり、あなたにとって「海の宝」は何ですか?という問いかけと、アカデミックな目線や内容で発表の要点をしぼり、自由な発想が広がる8枚の電子紙芝居として発表していただきました。

 詳しい調査のレポート的発表や、科学紙芝居風にまとめた楽しい発表があり、両方とも良いスタイルの発表でした。これらは、なかなか一つに絞ることができませんが、それぞれ優れた発表であると思います。

 多くの審査員による厳正な審査を一次審査と二次審査の2回行い、フィギュアスケートの加点のように一次、二次審査の点数配分が同じくらいでおこなっているので、二次審査の発表で絵がさらに生きてきたり、それぞれの言いたいことが強く出たりと、多くの作品が生き生きした発表になっていました。ここの部分については、実際の発表を聞くことでそれぞれの作品が得る点が変わり、順位の変動がありました。

 全国の中高生が日頃の学校生活で忙しい中、充実した理科部の活動や先輩から引き継いだ研究のなかから、勝ち抜いたものを審査した形になります。どの作品も素晴らしく、発表する技術、熱意、発表に関わるドキドキ感なども加味された結果となったと思います。

 「海の宝」は、テーマが幅広く、海の宝を探した人の活動、しっかり受け継いできた人の心、それらを全国の若い人々がオリジナリティーを大切にしながら、こういった発表スタイルの作品まで築いていくのにかなりのエネルギーを使ったと思います。

 作品の例があった方がよいと思い、私たち教員は、チャレンジしてみましたが、簡単にはとても作ることが出来ず、疲労し投げ出すくらいでした。

 発表するにはストーリーをつけないといけないため、我々審査員もそれぞれの内容の深みを考えさせられる発表でした。

 これらの発表は、海の事、生物の事、鉱物の事、社会性や環境の再生、人間社会との繋がりを見付ける場になったと思います。

 こういった海の作品を起点にして、これからの社会のため、自分達の世界のことなどを若い人々自ら広く深く考えていただける機会になったと思います。

 最後に、作品をまとめるにあたり、ご指導等々ご尽力いただいた各学校の先生方に感謝いたします。このコンテストが無事、盛会に終わることが出来、こころより感謝いたします。

 ありがとうございました。

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